トルコ共和国はアジア大陸西端のアナトリア(小アジア半島)とヨーロッパ大陸南東部の東トラキアからなる共和国だ。北部の黒海地方,西部のエーゲ海地方,南西部の地中海沿岸地方,中央部のアナトリア高原地方(中央高原),東部のアルメニア高原地方に大別され,国土の大半は山地と高原である。
東西交通のかなめで,古代からいくつかの支配の変遷があり,13世紀からはオスマン帝国領であったが,1923年10月29日,ケマル・アタチュルクによって共和国が宣言された。公用語はトルコ語で,人口の約 65%がトルコ人。ほかにクルド人,クリミア・タタール人,アラブ人などの少数民族がいる。住民の 97%がイスラム教徒(イスラム教)であるが,世俗主義を国是とする。労働人口の約 21%が農業,18%が流通・観光業,16%が製造業,15%がサービス業に従事する。トルコの面積は780,576平方キロメートルで、人口は約8,081万人である。
古くはヒッタイトからギリシア、ローマ、オスマンなど様々な文明・文化が花開き、かつ東西から人が行き来する要衝の地であったため、東西の文化が混交しており、独特の文化が存在する。
オスマン時代に宮廷で使われたオスマン語は元となったテュルク語に加え歴史的にペルシア語、アラビア語、土地的にギリシャ語、ブルガリア語、また西欧化のお手本としたフランスのフランス語からの借用語を多く含んでおり、トルコ人のための国家の言語としてふさわしくないと判断された。そのため、国内の方言や他のテュルク系言語などを参考にして言語の純化を行い、トルコ語が制定された。しかし、いまでも魚の名前などはギリシャ語由来の名前で呼ばれる。彼らは移住してきた遊牧民であり、その魚の名前を持たなかったためである。
トルコ東部はチューリップの原産地でもある。10世紀頃から栽培が始まり、16世紀にはオランダへ伝来。そして世界へと広まった。現在、トルコの国花や、トルコ航空のシンボルはチューリップである。
共和国発足後は、政教分離に基づいて宗教的因襲は次々と廃止され、1961年の憲法によって信仰の自由も認められるようになってはいるが、住民のほとんどはイスラム教徒であり、イスラム教の影響は依然としてトルコ文化の基底に横たわっている。
オスマン帝国時代の巨大・壮麗なモスク(トルコ名ジャミィ)として観光上も著名なイスタンブールのスルタン・アフメット・モスク(ブルー・モスク)やエディルネのセリミエ・モスクなどは、今日でも信者の祈りの場として機能しており、そのほか、大小さまざまのモスクが都市だけではなく全土の小さな村々にまで建立され、トルコ民衆の宗教生活を支えている。
トルコ人の好むスポーツはサッカー、レスリングで、とりわけプロ・サッカーの試合には熱狂する。新聞は日刊紙だけで40以上を数え、そのなかで『ヒュリイェット(自由)』紙、『ミリイェット(国民性)』紙、『サバフ』紙、『ザマン』紙などは、発行部数30万~数十万でもっとも読まれている。。放送は国営のトルコ・ラジオ・テレビ放(TRT)のほか、民放のNTV、Show TV、SKY TURK、CNNトルコなど260以上のテレビ局が放送を行っている。